イノベーター理論のとは、新しい技術やこれまでにないアイデアをもとに作った商品やサービスなどが市場に普及する過程を示した理論のこと。エベレット・M・ロジャーズの著書「イノベーション普及学」で言及。
イノベーター理論の意味・概要
イノベーター理論とは、新しい商品(製品)やサービス、考え方などが市場にどのように広まっていくか「普及率」を示した理論です。アメリカの教授エベレット・M・ロジャーズが、自身の著書「イノベーション普及学」のなかで言及したマーケティング理論であり、世間に浸透していく過程を5つに分類して説明しています。
イノベーター理論の分類
イノベーター理論の分類は、以下で紹介する順番で浸透していきます。
- 1.イノベーター
-
- 革新者
- 情報に対する感度が高い、新しいもの好きの層
- 新商品や新情報、新技術を積極的に導入する好奇心旺盛
- オタク気質、こだわり派と言われる人が多い
- 全体の2.5%
- 2.アーリーアダプター
-
- 初期採用者。オピニオンリーダー、インフルエンサーとも
- トレンドに敏感な層。常時アンテナを張り、情報収集に余念がない
- 新しいだけでなく、収集した情報から価値やメリットを考慮し導入するか判断している
- 次の過程にあたるアーリーマジョリティ、レイトマジョリティへの影響が大きい層
- 全体の13.5%
- 3.アーリーマジョリティ
-
- 前期追随者。ブリッジピープルとも
- 新しい商品やサービスの導入の判断を比較的慎重に行う層
- 流行りに乗り遅れたくないという気持ちが強く、新しいものに飛びつくのは平均よりも早め
- 市場全体への浸透の橋渡しになる層。中高生などが当てはまる
- 全体の34%
- 4.レイトマジョリティ
-
- 後期追随者。フォロワーズとも
- 新しい商品やサービスの導入に懐疑的な層
- 世間一般の導入割合が多数と判断したときに導入を決断する。周囲の動向をチェック
- 攻略には普及率を高めなければいけない
- 全体の34%
- 5.ラガード
- 遅滞者
- 5つのなかで最も保守的な層
- 新しい商品やサービスに関心がない。受け入れたくないという思いがある
- 普及するだけでは導入しない。伝統・文化レベルまで浸透してから導入を検討し始める
- 全体の16%
イノベーター理論を意識する目的・重要性
イノベーター理論は、ターゲットやペルソナを設定するときに意識することが大切です。イノベーター理論を意識することで、商品やサービスが浸透するまでにどのくらいの時間がかかるか設定しやすくなります。また、KPIを設定するうえで、どの成長段階でどのチャネルから流入するか、どのチャネルへの広告にリソースをかけるかの判断材料にもなります。
イノベーター理論が提唱する5つの分類を意識しないと、ファネルに適した広告やマーケティング施策がとれなくなってしまい、コストの無駄につながります。もちろん、CV達成の遅れにも直結するでしょう。
イノベーター理論の実践・CV達成のポイント
「どのタイミングでどの層にアプローチするかの見極めが重要」
ポイントをさらに深層化・目視化すると…
イノベーション普及学では、市場の16%を占める「イノベーター」と「アーリーアダプター」の攻略が新商品・サービスの普及の分岐点となると言及しています。ただし、アーリーマジョリティへの遡及も重要になるとする理論もあるため、イノベーターとアーリーアダプターだけを意識すれば良いわけではありません。
今、自社の商品・サービスがどの層を攻略する段階にあるのかを見極め、対象にあったマーケティング施策をとることが大切です。以下で紹介する「訴求のポイント」を参考に、トライアンドエラーを繰り返してPDCAを回し、マーケティング効果を高める工夫をしましょう。
タイプ別の訴求ポイント
1.イノベーターへの訴求ポイント
- 革新的
- 最新、最先端
- 新技術、エポックメイキング
2.アーリーアダプター
- 新しさと明確な価値、メリット、ベネフィット
- 流行可能性のエビデンス
- 既存製品、従来のサービスと比較して優れている点
3.アーリーマジョリティ
- 流行している、流行し始めていることのエビデンス
- 導入のメリット、合理性
- 流行に乗り遅れるリスクの説明
4.レイトマジョリティ
- 多くの人が導入しているエビデンス
- 導入していない層が少数であるエビデンス
- 失敗のリスクがない、もしくはかなり少ないこと
5.ラガード
- 世間一般から「定番」と見なされているエビデンス
- 安心感、安全性
- 歴史、伝統がある
マーケグロースが CV達成のためにできること
- 分析・解析によるターゲット・セグメントの設定
- ターゲット・セグメントにあわせた情報発信(オウンドメディア、デジタルサイネージなど)
- コンテンツ制作
上記以外にも、マーケティングにおいてさまざまな支援が可能です。まずは、御社のHPや商品・サービスをチェックすることで、見えてくることもあるはずです。御社の成長=グロースのために、ぜひご検討ください。
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